分子軌道の可視化
Molecule Orbital Visualization

分子軌道の可視化表示プロジェクトは、大学院生の中貴俊君を中心に中京大学の学内教員による共同研究として進められています。

電子の軌道、存在位置は確率的数値でしか表現することができない性質のものと考えられていますが、これをコンピュータグラフィックスの透過処理を用いて雲としてレンダリングすることにより 膨大な数値データを目に見える形で提示（ビジュアリゼーション）することが可能となります。

本プロジェクトでは、分子骨格を対話的に変化させたときに、それに応じて変わる分子軌道の状態をリアルタイムで表示することを目的としており、有限個の分子軌道データを与えるのみで、補間処理などを用いて軌道を連続表示することが可能になっています。

本研究の成果は分子軌道可視化ソフト「MOOTIC(Molecule Orbital Observation Tool with Iso-surface and Cloud)」として整備され、本サイトで公開されています。

「MOOTIC」は、化学者が電子の振る舞いを把握する上での有効なツールとして期待されているだけでなく教育用としても期待されています。

プログラムコード
Program Code

MOOTIC本体

VisualStudio.Net開発用全ファイル
（ソースコード、サンプルデータを含んでいます）

MOOTIC用cube形式データバイナリ変換ツール

表示用基本プログラム

VisualStudio.Net開発用全ファイル
（上記ソースコード、サンプルデータを含んでいます）

論文等
Publication

分子骨格操作に伴う分子軌道変化のリアルタイムボリュームレンダリング

中 貴俊, 山本 茂義, 秦野 やす世, 山田 雅之, 宮崎 慎也
Journal of Computer Chemistry, Japan, Vol. 1, No. 4, pp. 135-142, 2002.12

Visualization of Molecular Orbital Metamorphosis According to Interactive Molecular Skeletal Transformation

Naka T, Endo M, Yamada M, Miyazaki S, Hatano Y, Yamamoto S
Proc. VSMM2004, 2004.11

3Dグラフィックスによる原子・分子の電子雲の表示

吉岡弘幸, 濱本光二, 金田 悟, 西本匡伸, 宮崎慎也, 秦野やす世
第20回情報化学討論会・第25回構造活性相関シンポジウム予稿集, 21IP17, 熊本, 1997.10

リアルタイム操作を伴う原子・分子の電子密度雲のビジュアライゼーション

中貴俊, 山田雅之, 宮崎慎也, 秦野やす世, 山本茂義
日本VR学会第６回大会論文集, pp.327-330, 長崎, 2001.9

原子・分子の電子雲の対話操作に関する研究

中貴俊, 宮崎慎也, 山田雅之, 秦野やす世, 山本茂義
Visual Computing Workshop 2001, 盛岡, 2001.10

リアルタイム操作を伴う分子軌道の電子雲表示 ^{日本化学会ポスター賞}
―結合の回転に対する HOMO, LUMO 軌道の形状変化―

中貴俊, 秦野やす世, 山本茂義, 山田雅之, 宮崎慎也
第24回情報化学討論会・第29回構造活性相関シンポジウム予稿集, JP22, 徳島, 2001.11

対話操作を伴う分子の電子密度雲のリアルタイム表示
―テクスチャ量の増加に対するグラフィックカードの性能劣化について―

中貴俊, 山田雅之, 宮崎慎也, 秦野やす世, 山本茂義
電子情報通信学会MVE研究会, 2002-6, 東京, 2002.6

分子骨格操作に伴う分子軌道変化の解析支援における等値面のリアルタイム表示

中貴俊, 遠藤守, 山田雅之, 宮崎慎也, 秦野やす世, 山本茂義
電子情報通信学会MVE研究会, 2005-63, pp.39-44, 別府, 2006.1

分子軌道の内部節領域の可視化手法―区間雲表示―

中貴俊, 秦野やす世, 山本茂義, 遠藤守, 山田雅之, 宮崎慎也
第29回情報化学討論会予稿集, J05, 新潟, 2006.11